グローバルな事業展開において、複数の組織を1つの企業の傘下にまとめることは、難題であり、どんなにきちんと組織化された運営を行っている企業であっても難しいことには変わりありません。言葉の壁、時差、法的手続きの違い、現地の慣習などがあり、世界規模で移行を実施する難しさを考えると、企業が新しい会社を組織のエコシステムに統合する際に、積極的にコンサルティング支援を求めるのも当然のことと言えます。

グローバルロールアウトと2層ERPシステムのエキスパートとして、お客様の課題や悩みを解決することは、be one solutionsのリージョナルディレクターであるMario Rui Candidoの言葉を借りれば、私たちにとって「パンとバター」、つまり最も得意とする分野です。10年以上にわたり、2層ERPを含むERP戦略による効果的な統合テンプレートを開発・導入してきた経験から、導入を成功させるための共通の傾向を導き出しました。それは、ビジネス手順の調和とデータの適切な取り扱いです。これが、成功のためには最も重要なことなのです。

ビジネスプロセスの調和と最適化

ビジネス手順の調和と最適化は企業の持つ多くの課題点の解決につながりますが、これは、企業運営のすべての側面を横断するものであり、組織全体で取り組まなければ移行を成功させることはできません。既存の企業を吸収するにしても、新しい支社を設立するにしても、まず最初に取り組むべきことは、本社とすべての関連子会社の間のビジネスプロセスを調和させ、最適化することです。

新たな買収や事業展開を行う際の課題として、既に買収先の組織においてそれぞれ独自のERPプロセスが存在することが多いという点があります。そしてそれを、企業のコーポレートガバナンス構造に合わせて、標準化する必要があります。単純に考えると、関連子会社の業務を本社に合わせて再編成するのが良いと思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。買収した関連子会社のオペレーションを理解することで、本社の既に確立されたビジネスプラクティスに反映し、改善できることもあるかもしれません。つまり、現在の組織エコシステムを最適化するチャンスなのです。一つ確実に言えることは、プロセスの方向性にかかわらず、関連子会社と本社が同じ標準化されたテンプレートを運用することは、将来的にコストのかかる問題や非効率性を軽減するためにも不可欠です。

会社間取引

これまで、複数の関連子会社や本社の間で、国境を越えた複雑な企業間取引ネットワークが構築されている組織を数多く見てきました。このような場合、世界中に分散しており、法律や税制、ビジネス手順がそれぞれ異なる縦割り化された組織構造の間で情報をやり取りするため、システムエラーが発生することが多々あります。このような複雑なグローバルロールアウトでは、デジタルソリューションを導入しスムーズなやりとりを実現する必要があります。

ユーザー作成、複製、認証の一元化

多くの場合、関連子会社のユーザーは、企業の異なる支社間をつなぐ複数のシステムを横断的に利用する必要があります。これらのユーザーに関連会社間を横断する機能を確認、変更する権限がない場合、グローバルロールアウトにおいて、コミュニケーション、データ処理、レポート作成などで避けられない問題が発生します。また、横断的なデータを必要とするユーザーに所属会社を超えたアクセス権が与えられていないと、関連子会社に対する適切な監査の実施に支障をきたします。ERPソリューションはユーザー作成の一元化など、適切なユーザー管理を提供することができ、それによって、ユーザーはアクセスを妨げられることなく組織を超えて取引を行うことができます。

SOX法コンプライアンス

グローバル企業が関連子会社を統合する際、新会社がサーベンス・オックスレー法(SOX)に準拠していない可能性があります。SOX法とは2002年、エンロン社とワールドコム社の事件を受けて制定された、企業ガバナンス、会計、財務の健全性を確保するための規制措置です。関連子会社を組織に統合する際、以前の会社組織で認められていたビジネスプラクティスがSOX法に違反していることは残念ながらよくあることです。当社のクライアントでも、過去、会社を組織に統合しようとしたときにコンプライアンス違反に気づかず、結果的に複雑な法律的・法的状況に陥っていました。

データ処理、分析およびレポート

現在のグローバルビジネスにおいて重要とされる、異なる組織間でデータを適切に収集、分析、レポートすることは、システムのグローバルロールアウトにおいても同様に重要です。そして、関連子会社を統合する際に大変であるとされるのは、マスターデータの取り扱い、正確な予算編成と分析、そして会社間のレポートです。

マスターデータの複製とガバナンス

本社と関連子会社のマスターデータの扱いや管理が一致していないと、グローバルロールアウトがうまくいかない大きな要因となります。関連子会社と本社が同じ情報に基づいて業務を行うためには、多くのデータ処理プロトコルを制定する必要があります。そこで挑戦となるのが、関連子会社のデータ収集、処理、分析のプロセスを、独自の指標を損なうことなく、マスターデータに統合する方法です。

予算と分析

不正確な予算と分析は、本社と関連子会社の間でマスターデータのプロセスが共有化されていない企業に共通する課題です。また、本社では、予算や分析結果を一元的に解釈するために必要な理解力や言語能力が不足している場合もあります。そこで、予算と分析の処理をERPシステムに調和させることで、本社は関連子会社のオペレーションと財務実績をリアルタイムで追跡することができます。

会社間レポート

関連子会社と本社の間のレポートの流れは、上述したマスターデータの整合性や、ユーザー作成の一元化などに影響されることがよくあります。マスタデータの整合が取れていないことは、関連子会社のパフォーマンスを正確に分析する能力や、ビジネスがそのパフォーマンスにどのような影響を与えているかの判断を複雑化します。ユーザー管理の一元化がされていないことは、管理者の承認を得なければ、ユーザーが必要なレポートデータを取得できないというお役所的な問題につながります。どちらの場合も、グループ内の異なる関連子会社間で、重要な情報を迅速かつ効果的に伝達する能力が低下してしまいます。

be one solutionsの2層を含むERPシステム導入経験の中で、25社の関連子会社を持つ企業へのグローバルロールアウトにおいて今回述べたような課題が何度も出てきたことがありました。我々が経験に基づいて言えることはできるだけ事前に準備をして、予測・対応しておくことが、問題や課題が発生する前にグローバルロールアウトをスムーズに進める早道だということです。

be one solutionsは、ERPシステム導入の経験を活かし、企業のエグゼクティブ向けに実用的な洞察をご提供しています。SAPのグローバル展開に関する最新情報をお届けいたしますので、当社のSNSをぜひフォローください。

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