手書きや Excelでの業務に限界を感じ ERP の導入を決定

高砂香料工業グループのひとつ、Centre Ingredient Technology, Inc.(以下 CIT)は、アメリカに拠点を置く香料原料メーカーだ。CIT は現在、オフィス業務を4人という少人数で回しており、事務や経理、人事や生産計画などもこの4人で行っているという。これらの業務は基本的に手書きかExcel、そして会計ソフトでの作業を行っていたため、情報の集約や活用、情報共有に限界を感じていたというのだ。

そこで検討したのがERPの導入だ。ERPを導入すれば認証機能によって記録が残るため、監査にも対応しやすい。また、ほかの拠点とも情報共有する必要があったため、ERP の導入が不可欠だったといえる。

S/4HANAでは規模が大きすぎる 選んだのはSAP Business One

CITが選んだERPはSAP Business Oneだ。きっかけは導入するERPを本社と話し合い、会社規模を踏まえた上での選択だったという。

「グループとしてSAP ソリューションで統一するという流れがありました。しかし S/4HANA などでは、この会社に大きすぎるんです。そこでほかのSAP ERP との相性もよく、グループの他の企業でも使っていたSAP Business Oneに決めたんです。仮に将来 S/4HANAにするといった場合にも移行しやすいこともメリットと考えました。」と川又氏は振り返る。

導入を行ったのは be one solutionsジャパンだ。最初の出会いはSAP から紹介を受けたからだというが、紹介されただけで決めようとは思っていなかった。しかし、技術的な内容から導入プロセスまでを、丁寧に寄り添って教えてくれた。また少人数で回している企業であることと、アメリカにあるという前提で、導入プランを検討してくれたという。このようなやり取りからbe one solutionsジャパンに任せれば大丈夫と確信、こうして導入プロジェクトはスタートしたのだった。

be one solutionsジャパンが成功させた完全リモートかつ少人数でのプロジェクト

この導入プロジェクトはやや特殊な状況だったといえる。しかし順調にプロジェクトは進み、ゼロからスタートし、昨年末から開始したプロジェクトは7月から本稼働できたという。

まず今回のプロジェクトは、すべての作業をリモートで完結している。これには2つの理由がある。1つは新型コロナウイルスの感染拡大によるもの。もう1つは日本とアメリカという距離の問題だ。さらに時差という問題と、少人数での対応ということもあり、プロジェクトは困難だったように思える。しかしこれらはすべて、メリットに働いたというのだ。オフィス業務を4人で動かしているCIT にとって、日中プロジェクトに全員が参加することは難しい。一方で ERPの導入はこの4人が集まることこそ重要ともいえる。このためミーティングは通常業務の後となる。この時間、実は日本時間ではちょうど朝となるのだ。このため、時差とリモートでのやり取りはむしろ円滑に進められるというメリットとなった。完全なリモートではあるが、作業画面を共有し、確認しながらの作業で進め、とくに問題はなかったという。

なおインフラはクラウドを選択している。少人数での企業において、IT担当を置くことは難しい。このため運用保守の手間がかからないクラウドは、規模に合致した唯一の選択だったという。これもリモートでの導入を円滑にできた要因だろう。クラウドインフラを含めてbe one solutionsジャパンが提供できたことも、問い合わせ窓口を一本化したい CIT にとって導入パートナーとして選んだ要因の一つだった。プロジェクトを通して、 be one solutionsジャパンのサポートに感謝しているという。マスタデータの移行やレイアウトの調整といった、本来ユーザ側で行うことの多い作業も be one solutionsジャパンが行ってくれたというのだ。川又氏には ERP導入への知見があった。だからこそ、これについてはとても驚き、感謝しているという。

さらに小泉氏は「質問に対するレスポンスがとても早いんです。そして答えも丁寧で正確です。プロジェクト中もですが、運用保守というフェーズになった現在でも、本当に信用できると思っています。」と語る。

使いやすいSAP Business oneと手厚いbe one solutionsジャパンのサポート

導入したSAP Business oneには多くのメリットがあるという。これまでの会計ソフトやExcelでの作業では実現できなかった生産、出荷といった情報も迅速に共有可能。そしてS/4HANAなどの大きなERPではない、小規模事業者向けであることから、小回りが利きとても使いやすいという。

いままで行っていた紙へのサインもSAP Business One に。監査への対応や内部統制についても、しっかりしたものが構築できたと満足している。

「4人のなかで ERP の経験者は私だけでした。ERP とはなにかから説明を行ってもらっての導入でしたが、いまでは皆が使いこなしています。SAP Business oneもすごいのですが、やはりbe one solutionsジャパンのサポートのおかげでしょう!」(川又氏)

2021年9月現在、週一回のペースでミーティングを行っているという。完全な通常オペレーションには移行していないというが、CIT の事情をよく知ったbe one solutionsジャパンが対応してくれていることに、大きな安心感があるという。

今度も共に歩み続けるCITとbe one solutionsジャパン

最後に be one solutionsジャパンとSAP Business Oneについて、感想を尋ねてみた。

川又氏は「私たちは SAP Business one をフルERPだと思っています。グループ会社のメインにはS/4HANAといったERPを、グループ内の小さな事業所にはSAP Business one というのがちょうどよいと思います。 be one solutionsジャパンにはとても感謝しています。」という。

すでに来季に向けたシステム変更を年末に予定しており、ほかにも要所要所で短期プロジェクトを依頼したいと語る。今後も be one solutionsジャパンとの共走は続いていく。

 

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