事業拡大とコンプライアンス遵守

事業を急速に拡大する際に、本社経由で現地社員を雇用したり、他の海外拠点と同じERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)ソフトウェアをそのまま使用したりした結果、コンプライアンスに違反してしまったというケースを、私たちは何度も見てきました。こうしたことが起きると、事業開始前から悪い評判を伴うことになり、罰金や問題を抱えたマイナスからのスタートとなってしまいます。

コンプライアンス違反の中には、1,500億ドルを隠蔽してしまったというような国際的規模のものもあれば、管理者の認識・知識不足から起こる小さなミスもあります。2020年の金融機関のコンプライアンス違反だけでも、その額は104億ドルにのぼります。貴重な資金を罰金の支払いに費やすことがないように、今回は、コンプライアンス違反を避けるために重要となる、2つのポイントについてお話しします。

プロセスおよびプロセスの文書化

コンプライアンス違反を回避するための最も重要なステップは、簡潔で徹底したプロセスを持ち、そのプロセスを文書化することです。コンプライアンス遵守は重要であり、その実現には欠かせない要素です。

正しいプロセスには、きちんと文書化された役割と責任、徹底的で正確なデータが含まれ、どれか一つでも欠けると多くの問題が発生します。ご存知かと思いますが、バックエンドにプロセスを実装することは、多くの労力と時間を必要とするものです。

また、適切なプロセスによって、データのプライバシーとサイバーセキュリティを強化できます。自社が保有するデータにとっても、顧客のデータにとっても、サイバーセキュリティは大きな関心事です。国際的なビジネスでは、国境を越え、世界中に、そしてローカルに、ますます多くのデータを送信するようになっており、企業はセキュリティを維持するためのプロセスに加え、セキュリティが破られた場合のためのプロセスを整備しておく必要があります。

多くの場合、事業拡大の準備が整うまで問題は表面化しません。そして、拡大時の急激な変化に対応できるほどには、基本的なプロセスは標準化されていないのです。新しい国へ進出する前に、企業は、現在のプロセスを十分に理解し、死角があればそれを洗い出す必要があります。

プロセスに基づいて、最適なテクノロジーまたはERPを選択し、サポートおよび強化することが、コンプライアンス違反を回避する上で重要です。コンプライアンス規制は国によって大きく異なるため、一つの国で稼働しているシステムをそのまま導入すれば良いという訳ではありません。よって、たとえ本社で優れたコンプライアンスシステムとプロセスを導入していても、新しい拠点に導入する場合は、現地に適用させる必要があります。

このような複雑な問題を解決するためには、この分野の専門家と提携し、スムーズな移行を実現するためのテクノロジーを選択することをお勧めします。

適切なサポートを提供するテクノロジー

コンプライアンス(電子ファイリング、電子納税、電子監査、上流の税務管理)は継続的に変化しています。そのために、適切なプロセスを備えたERPシステムを、適切な配慮のもとにローカライズして使用することが必要になります。

多くの国では、ERPシステムに対する規制があります。ポルトガルでは、政府が認証したERPシステムしか認められません。アジア太平洋市場のコンプライアンスコードはそもそも非常に複雑ですが、加えて地理的な多様性もあり、さらに複雑化しています。世界中でコンプライアンス規制は、急速に複雑さを増す傾向にあります。

また、財務の透明性を高めることが今まで以上に求められており、企業が現地当局に報告を求められる頻度も増えてきています。ERPテクノロジーを活用することで、自治体への情報提供や透明性の確保をシームレスに行うことができます。これには、もちろん互換性のあるERPシステムが必要です。

適切なERPシステムを味方につければ、新天地への移行期間中は、コンプライアンスを気にすることなく、ビジネスに集中できます。be one solutionsのようなERPパートナーを活用することによって、事業拡大のストレスを削減できるのです。貴社のビジネスが、コンプライアンス違反で止まることがないように、最初から正しい選択をすることが大切です。

 

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